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HGCNH

竣工   2009.11
所在地  河東郡鹿追町
敷地面積 209.10㎡
延床面積 88.20㎡
施工   山田建設工業株式会社

帯広市にほど近い鹿追町に、約26坪の小さな住宅がある。 クライアントの家族構成は40代前半の夫婦と娘の3人家族。
「ワンルームのような家が欲しい」、これがクライアントの希望である。 計算をしてみると26坪になっただけで、床面積を意識しながら設計を進めたわけではない。
この家族にとって、この空間は広すぎず、もちろん狭い訳でもない。丁度良い広さなのだ。

今回、この住宅がより豊かな空間となるように、いくつかの「仕掛け」を提案した。 まずは、適度に囲われたポーチ兼用の大きなテラスと土間である。このテラスがこの住宅の入り口になり、半外部的な土間とつながる。
玄関ドアはあるが、すぐ横には大きな窓が連続しているので、仲の良い近隣の人たちが様子をうかがったり、好きな場所(ドアや窓)から出入りができる。閉鎖的ではないこれらの空間は、緩やかに地域とのコミュニケーションをとる場となる。

さらに室内的な扱いのテラスが他に2つある。 このテラスに面して大きな開口部を設け、室内空間と連続させる事によって、視覚的な広がりと一体感を期待した。
土間には家族の靴が並び、デスクがあり、思い出の旅行で使ったスーツケースや、黒板壁には写真や子供の絵が貼られる。
キッチンの棚にはお気に入りの小物が無造作に飾られている。
家族の生活がこの空間に溶け込む事によって、豊かな空間に成長してゆく。単調になりがちな「ワンルーム空間」は奥に行く程プライベートな領域となり、寝室と子供部屋は仕切りのないスキップフロアで連続している。
この大きすぎない段差によって、部屋として使い分けする事もできるが、ひとつの空間でもある。
家族は互いの気配を常に感じ、別々にいながらも会話ができる距離感である。一長一短の空間だが、この家族であれば楽しく過ごしてくれると感じた。

土間を中心としたこの小さな住宅は、家族がつながり、友人が気兼 ねなく訪れ、 地域と緩やかにつながる事を期待した住宅である。

(リプラン北海道94号、リプラン東北33号掲載文)


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